BMO ワイン
BMO輸入ワイン 蔵元:ソカ・レル/SOCA-REL
ワイン名:マント・ネグロ 2021/MANTO NEGRO

生粋(ソカ・レル)のマヨルカ味はこれなのか?
いや、こんなクリーンなマント・ネグロはペップだけ!

マント・ネグロ 2021
商品No.3BSSP16-1-21
産地スペイン マヨルカ 

品種:マント・ネグロ

栽培・醸造:
造りは基本全てのワインで同じ。
除梗後、ステンレスタンクでアルコール発酵
(18〜20℃、8〜10日間)。
冬にプレスし、必要に応じてオリ引きを2〜3度。
翌年4月に瓶詰め。

マヨルカ島を代表する品種でほぼ門外不出。
スペイン本土にすらほとんど植えられていない。
熟成スピードが早く他の品種と
ブレンドされることが多い中ペップは100%で醸造!

淡い赤色にトキメキが隠せません。
ほんわかと広がる春の花のような香りと裏腹に
昆布出汁のような旨味がギュっと詰まっている。

タンニンは穏やかながら余韻は長く
最後には塩味(えんみ)が広がります。

ソカ・レル
ソカ・レル
蔵元
ソカ・レル
生産者名
ペップ・ ロドリゲス

中海に浮かぶ島。
強烈な独自ぶどう、ワイン文化を率いるシャーマン。


【シャーマンと呼ばれるペップ・ロドリゲスとは 】

生まれ故郷のマヨルカの地で2008 年から自家消費用のワインを造り始めたペップ・ロドリゲス。
高校 卒業後興味を持った農業をスタート。一度は体を壊しドクターストップがかかった。
しかし 事務仕事は一切合わず、考え抜いた結果、今度は 自分が病気を支配する番だ!と決め、再び農業の道へ。
2023年時点で農業従事歴は34年というから大ベテラン!

17・8歳で始めたのは季節労働、いなご豆やアーモンドの収穫。
この地主は伝統農業への情熱が高く、農薬をほとんど使わない農家だった。
敷地全体を世話することを任され、生きとし生けるものをリスペクトした上での農業。
植物も動物も全てが家族
だということを若いころからしっかり吸収して農業を営んできたのだ。

ペップは近代栽培・醸造技術が導入される前まで、
マヨルカ島では 古代ローマ時代から一体どんなぶどう栽培やワイン造りがされていたのか。
また、どんな考え方でワインが造られてきたのか を理解し、その伝統を守ることを最も重要視している。

「mi vino (私が造ったワイン)」という表現は決して使わず「 el vino (ワイン)」と言う。
ワインを造っているのは自分ではなく、ぶどうや土、
微生物など様々な自然界の創造物だ、と考えているからだ。


どんなワインを飲んでも体が受け付けなかったが、
ペップが造ったワインだけは体に沁み入り飲むことができた
という体験をした人が何人もいる。
ペップは自然界や宇宙、そして時空を超えた様々な存在を感じたり繋がったりできる繊細な精神性を持っている。
そんな力を理解できる人たちは彼のことを「 シャーマン 」と呼ぶ。


【 ソカ・レルのスタート 】


一家の稼ぎ頭として働か ざるを得なかった当時25歳のペップは、
実は 現在に至るまで同じワイナリーで仕事をしている。
平日はワイナリーで、夜と週末は自分のワイン造りの超ハードワーク !!
近代的な栽培・醸造をする 企業 ながら、 任された畑の一部を有機栽培に。
フランス品種から土着品種に植え替え、
彼にとっては 自由にやらせてもらえる部分もあり、様々な事を学べる場所だった 。


しかしどうしても 、「 100% オーガニックで、自然なワインを造りたい 」 思いが強くってきた。
2008 年に小さな土地を見つけ、オリーブ、ぶどうを植樹。
自家消費用にワイン造りを始め たのがソカ・レルの起源。

自然な栽培造り で、味わいは 洗練・ 緻密でフレッシュ、
食事と共に楽しめるワインを造りたい
独学で試行錯誤を繰り返し 2015 年から少しずつ販売開始 。
趣味のワイン造りではなく、
自身の確固たるプロジェクトとして娘に父親の背中を見せたい思いが販売を決めるきっかけに!

まずは地元のレストランなどにラベルなしで販売スタート、
島外に本格的に販売開始したのが2019ヴィンテージから。
そこからわずか3年で 最果て、いやナチュラルワインのメッカ・日本にまで到達した!


【醸造】

自分が好きな納得できるワインを造りたい自然だけど洗練されて、
緻密でフレッシュ感のある、食事と共に楽しめるワイン。
ナチュラルに、かつできるだけクリーンなワインを造りたい思いが強いからこそ、醸造も細心の注意を払う。

①アルコール発酵が完了後、プラスチックフィルムでカバー。
CO2がタンク内に充満しワインが保護されるようにする

青さやえぐみが出ないよう優しくプレスできる垂直プレス。
ここでも雑菌や酸化から最大限ワインを守るため、
ステンレス製で、清潔さを「ここまでやるか!」というほど維持


③マセラシオン・発酵中 に浮いてきた果房で、液体が僅かにでも酸化するのを 避けるため、
細かい穴の空いたプレートをタンク内に設置し
、果房が常に液体と触れている状態にしている 。

―――<土着品種への知識>―――

もともとマヨルカ品種は、酸や糖の成熟と比例してフェノール類が熟さないのが特徴。
糖も収穫せずにいればものすごい上がるかというとそうでもない。
アルコール度数はマント・ネグロが一番高くマックス13.5%、
他の品種はどんなに熟しても12.5%ほど。それでいて pHは3.6 ほどと高め。

基本除梗し、マセラシオンも短めに、人為的に抽出したりせず、ぶどう本来の果実味を大事にする考え方。
18~20℃程度で温度を下げすぎないように8~10日間のアルコール発酵。
発酵が完了し、澱が沈殿した冬にプレス、澱引き。翌春頃に瓶詰め。
現在はステンレスタンク(1,500 L容量)のみで醸造。

2008 年に借りた畑でエスクルサック、マント・ネグロ、エスペロ・デ・ガィを植えた。
畑の隅に実験区画があり、次世代に残すため、
絶滅の危機に瀕するものを含め、マヨルカの様々な土着品種
を植えている。
ビナテル・ブランク、フォゴネウ、
マンサス・ダ・ティブス、アルガムサ、ジロ・ネグロ、バレン・ブランク、マンド etc。

多くの人がペップを慕って土着品種の枝をもらいに来たり、話を聞きに来るとか!
マヨルカにはフィロキセラ以前に存在した土着品種が今でも30種以上も残っている。
それを守っていく責任があると考えている。
彼の畑の周囲にはempeltreやpicualなどのオリーブがある。
マヨルカでは歴史的にオリーブ、ぶどう、穀物、アーモンドなどと農作物が回転していった。
それぞれ抜く前に特別な品種などはその畑の周囲に植えられていったため、
周囲の茂みには昔存在し今はほとんど残っていない品種の植物が様々見つかるんだと語ってくれた。
古くて新しい品種がペップの手によって蘇るのが楽しみだ!


――――――<畑仕事>――――――

ソカ Soca はマヨルカ語で「幹」を、
レルrel は「根」を文字通りでは意味するが、ソカ・レルという表現で「生粋の」
という意味。
栽培・醸造ともに独学を貫くペップ。畑の環境を理解した上で、
ビオディナミ、伝統農法から適切だと判断する手法を取り入れている。
畑の周囲には低木・灌木を、畑の中には果樹を植え、
畑の真ん中に低木・灌木や草のみが生える場所を維持するなど、
ぶどうだけのモノカルチャーを最小限にし、生物多様性を高めている。

病害の対処にはトクサ、イラクサ、シナモン、
セイヨウノコギリソウなどの煎じ液を使い、硫黄も銅剤も使わない
畝間の緑肥も大事にしつつ、年に一度耕うんもする。
不耕起が大事という考え方もあるが、不耕起によって土が硬くなってしまった場合、
微生物の働きのために土中に空気を入れてあげることは大事で、
耕うん後、ローラーで平らにしてあげることで、土を起こすことで起こる水分の蒸発を防いでいる

―――<山田のマヨルカ訪問記より>―――

バルセロナから飛行機で西に1時間。地中海に浮かぶマヨルカ島。
他の生産地にはない、ここだけのぶどうとワインが、驚くべき進化を遂げている。
そこには「マヨルカ5人組」とも呼べる尖ったナチュラルな造り手たちがいた。
彼らのワインはナチュラルワイン界でもTOPランクに比肩する。
「地元・土着」が世界的に注目されている中「島のワイン」は、
まさにど真ん中。マヨルカはその最先端に躍り出た


山田が訪問し、ソカ・レルの蔵元でペップと談笑している時だった。
突如セラーに入った彼が携えてきたボトル。
「見てくれ!」と言わんばかりの「ラングロール タヴェル・ロゼ」だった。
ペップが最も心奪われる存在。それは、エリック・ピュフェリンクなのだ。
私たちとラングロールの深い付き合いを聞いて目を丸くするペップ。
「とにかく会いたい!」想いが募り、自分のワインを携えてラングロールを訪問した。
今やあまり人に会うことのないエリックが、快く受け入れてくれた
素晴らしいワインだ!」エリックの言葉に涙ながらに意を強くしたペップ。
マヨルカにさらに強いエネルギー差し込まれた瞬間だった。

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